環境パイル工法は木材で建築物を支える「地盤補強工法」の一つであり、腐朽・シロアリ対策として防腐・防蟻処理を施した木材を使用しております。「地盤補強」としての支持力性能に加え、CO2を吸収した国産木材を地中に埋設することによるCO2削減効果もあります。
環境パイル
環境パイル工法とは
工法紹介動画
動画製作・提供:環境パイル(S)工法協会
工法の特徴・利点
1.高い材料品質
従来の木材を用いた地盤補強は、腐朽やシロアリ等の影響が懸念され、耐久性に問題があると考えられていました。
本工法では、常水面(地下水位)以浅での利用を可能とするため、防腐・防蟻処理を施した木製補強材を用います。
2.確実な支持性能
木製補強材の確実な支持能力を確保するために、施工時の圧入力による品質管理手法を確立し、地盤補強工法の第三者性能証明も取得しました。木材を利用した地盤補強工法の性能証明は業界で初です。
3.CO2の削減
従来の戸建住宅における地盤補強工法はセメントや鋼材を使用するものが多く、それらは材料製造段階でCO2を排出し、その排出量は1棟あたり約8トン程度になります。
一方で木材は成長段階でCO2を吸収するため、国産木材を使用した木製補強材を使用することはCO2削減に寄与します。住宅1棟に使用する木製補強材は約2トンのCO2を吸収しているため、セメントや鋼管を使わないことの効果も加味し、1棟当たり約10トンのCO2削減効果が期待できます。
環境パイル工法と環境パイルS工法
環境パイルには「環境パイル工法」と「環境パイルS工法」の2つがあり、それぞれで第三者機関である日本建築総合試験所(GBRC)の性能証明を取得しております。この2つの工法は設計の考え方が異なり、地盤条件や建物条件などを考慮して合わせて選定します。
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環境パイル工法 【GBRC性能証明 第09-07号】
地表の地盤が比較的緩い場合に適した工法で、補強材の支持力で建物を支えます。
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環境パイルS工法 【GBRC性能証明 第11-29号】
地表の地盤が比較的硬い場合に適した工法で、補強材の支持力と地盤の支持力の両方で建物を支えます。
防腐・防蟻処理について
木材を劣化させる原因として腐朽菌とシロアリが挙げられます。地下水位より下であれば、腐朽菌やシロアリは生息できないため、木材が劣化することはありませんが、地下水位より上では対策が必要です。そこで、環境パイル工法では薬剤の加圧注入による防腐・防蟻処理を施した木材を使用しております。これらの効果は室内試験、野外試験で確認したほか、日本材料学会で耐久性に関する認証を取得しております。
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圧入窯
JAS製品またはAQ認証を取得している工場で、防腐・防蟻薬剤を加圧注入します。
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防腐試験
劣化促進試験により60年経過相当とさせた試験片を木材腐朽菌の中にいれ、防腐効果を確認しました。同様に防蟻試験も行っています。
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日本材料学会技術評価 第1019号
環境パイル材の「耐久性」について日本材料学会の技術評価を取得しています
施工実績
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神奈川県 木造2階 戸建て住宅
環境パイルは残土が出ない他、プラントも不要なため、戸建て住宅の施工に特に向いております。
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山形県 木造2階 学習交流施設
環境負荷低減工法として、公共建築物での採用ケースも増えております。
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愛知県 木造 お野立て所
「第70回全国植樹祭あいち2019」のお野立て所の地盤補強にも環境パイルが採用されました。