ファインパイルはセメント系固化材を用いた深層混合処理工法の一種ですが、専用の分散剤(KNNスラリー20)もしくは界面活性剤(KNNスラリー10)を添加するという化学的手法により、ソイルセメントスラリーの粘性を低下させることで、均一な改良体の築造を可能とした工法です。
ファインパイル
ファインパイルとは
ファインパイルの特徴
セメントスラリーと土を混ぜると、それぞれの粒子の電気的性質の違いにより、粒子が凝集体を形成することで流動性が低下します。その結果、セメントスラリーと土が均一に攪拌されず、改良体の強度にばらつきが生じたり、土塊がそのまま残ってしまうなどの品質の低下が懸念されます。
そこで、ファインパイルでは凝集体形成を防ぐ効果のある、分散剤(KNNスラリー20)もしくは界面活性剤(KNNスラリー10)を添加することにより流動性を改善し、均一な改良体を作ります。
ファインパイルの各工法紹介
ファインパイル工法Civ.
【BL審査証明-032 (一般財団法人ベターリビングによる審査証明工法)】
ファインパイルの各工法の中で、現在最も広く採用頂いている工法が『ファインパイル工法Civ.』です。
従来の『ファインパイル工法』、『ファインパイル工法eco』を元に非住宅・土木分野にも対応できるよう適用範囲を拡大し、最大改良体径φ1500mm、最大改良長18mの施工が可能となりました。使用可能な添加物は分散剤(KNNスラリー20)です。
ファインパイル工法eco
【GBRC性能証明 第12-25号 (一般財団法人日本建築総合試験所による性能証明工法)】
従来の『ファインパイル工法』では、界面活性剤(KNNスラリー10)のみ使用可能でしたが、これは液状であり添加量も多く必要なため、現場作業時に負担となっていました。
そこで、顆粒状かつ添加量が比較的少ない分散剤(KNNスラリー20)も使用可能としたのが『ファインパイル工法eco』です。
ファインパイル工法
【BCJ-審査証明-51 (一般財団法人日本建築センターによる審査証明工法)】
深層混合処理工法の品質改善においては、攪拌翼の形状などを工夫する「機械的対策」が一般的でしたが、そこに「化学的対策」を加えた画期的な工法が『ファインパイル工法』です。
使用可能な添加物は界面活性剤(KNNスラリー10)です。
工法比較表
施工事例
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岩手県 木造2階 戸建て住宅 ファインパイル工法Civ.
比較的小さな杭径・施工機でも施工可能なため、戸建て住宅の現場でも多くの実績があります。
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栃木県 サイロ下 ファインパイル工法Civ.
構造物下の改良も承ります。既存の建築物などがある場合でも、搬入路と作業スペースが確保できれば施工可能です。
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福島県 土木構造物 ファインパイル工法Civ.
杭径や施工可能深度の増大に伴い、土木の現場で採用頂くケースもあります。