LP-LiC工法(丸太打設液状化対策&カーボンストック工法 Log Piling Method for Liquefaction Mitigation and Carbon Stock)は、丸太を地盤に打設し砂地盤の密度を増大させることで、液状化の発生を抑止しながら、地球温暖化の緩和や林業再生に貢献する工法です。
本工法は飛島建設株式会社、昭和マテリアル株式会社、兼松サステック株式会社の3社で共同開発しました。
LP-LiC工法(丸太打設液状化対策&カーボンストック工法 Log Piling Method for Liquefaction Mitigation and Carbon Stock)は、丸太を地盤に打設し砂地盤の密度を増大させることで、液状化の発生を抑止しながら、地球温暖化の緩和や林業再生に貢献する工法です。
本工法は飛島建設株式会社、昭和マテリアル株式会社、兼松サステック株式会社の3社で共同開発しました。
液状化とは、主に地下水位以深の緩い砂質土で起きる現象です。地震動により砂粒子間の水圧が上昇し、粒子同士のかみ合わせが外れることで、砂地盤が液体状になることを指します。埋め立て地などの人工地形では特に注意が必要なほか、砂丘や自然堤防といった本来は良好な地形であっても、その縁辺部地下水位が高く液状化しやすい地形となります。
液状化が起こると地盤は支持力を失うため、家や電柱などの重い構造物は沈下します。一方で、液状化地盤は「重い液体」であるため、それよりも質量の軽いマンホールや水道管などは浮き上がりが生じます。その他にも、地割れや噴砂など、日常生活に支障のでる被害が発生します。
木材はその成長過程で多くのCO2を吸収します。そのため丸太を使用するLP-LiC工法は、液状化対策工法であると同時に、地中へのCO2貯蔵工法でもあります。LP-LiC工法には以下のような特徴があります。
1.安全安心な工法
従来工法と同等レベルの液状化対策効果を発揮し、強震動で液状化が発生しても丸太が杭の機能を発揮できるので、フェールセーフ型の対策工法です。
2.木材の活用
製材のような高品質な木材でなくても使用が可能です。また、地域材を大量に活用することで、林業再生、地域林業の活性化に貢献します。
3.低価格・工期の短縮
セメント固化系の対策に比べ安価で、プラントなどの設備を必要とせず工期短縮が図れます。
4.地域の環境に配慮
自然素材を用いることから地下水汚染などの環境汚染の心配がありません。また、低振動・低騒音で大小様々な規模の施工が可能なため、市街地での施工にも適しています。
高知市役所の新庁舎を建設する際の液状化対策工法として、LP-LiC工法が採用されました。本工事では、15,000本を超える高知県産のスギ丸太を使用し、液状化を防ぐだけではなく、地域林業の活性化にも貢献しました。